- 〒980-8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1
- 022-717-7489(医局直通)
- http://www.emergency-medicine.med.tohoku.ac.jp/
はじめに

東北大学病院高度救命救急センターは2006年10月1日に東北地方で2番目の高度救命救急センターとして開設しました。救命救急センター内にICU12床、HCU8床、重症初療室2床、軽症初療室4床、手術室、専用CT室などを備え、屋上にはヘリポートを併設しています。
現在、専従スタッフは22名で、うち専門医などの有資格者は、救急医学会指導医2名、救急科専門医7名、集中治療専門医2名、外傷学会専門医3名、熱傷学会専門医3名、外科専門医5名、整形外科専門医2名、循環器科専門医2名、脳外科専門医1名、神経内科専門医1名、麻酔科専門医1名います。また、救急医学会指導医、救急科専門医、集中治療専門医(2013年度より)、外傷学会専門医、熱傷学会専門医の研修施設として認定されており、当センターでの臨床経験のみでこれらの資格を取得することができます。また、サブスペシャリティーとしての外科専門医などの取得も可能です。
3次救急を中心に診療をおこなっており、2011年の救急車数2,333台、外来受診者数6,868人、入院数938人で、入院患者の内訳は内因性疾患503人、外因性疾患435人です。入院患者の大半について、救命救急センターに専従する救急科医師であるわたくしたちが主治医となり、院内の専門診療科にコンサルトを行いながら診療を行っています。
救急の専門医として、"おもしろい"と感じ、多くの仲間とともに

救急科は、内科や外科などと並ぶ基本領域診療科として、現在の医療の第一線において重要な役割を担っています。すべての救急患者に対する重症度・緊急度をもとにしたトリアージと初期診療、重症病態における集中治療、とくに既存の専門診療科の枠におさまらない病態の治療である多発外傷や中毒、重症敗血症、重症熱傷、心肺停止状態からの蘇生と心停止後症候群などの病態の治療において、我々はエキスパートです。
より多くの救急患者さんを受け入れ、科学的な目をもって病態を捉える姿勢を徹底します。単に、トリアージする、診断・治療することに止めることなく、救急の現場で臨床を行っている医師を中心としたスタッフが、"救急医療・救急医学はおもしろい"と感じながら、生き生きと仕事をしていることがとても大切であり、救急医学をおもしろいと感じて仕事をできる仲間をひとりでも多く集めて、大きく展開したいと考えています。
診療・研究・教育方針
東北大学病院高度救命救急センターとして目指す、4本の柱をしっかりと見据えて、診療・研究・教育を行っています。
目的:
1.世界の標準を確実に捉えることをminimum requirementとした上での質の高い救急・集中治療を行うこと
2.新たなオリジナルの発想に基づく病態概念、診断・治療法を常に求め、国内外に発信すること
3.すべてのスタッフが、救急・集中治療領域における指導者となりうる臨床能力と指導力を持つこと
4.Acute care surgeonを育成すること
- 毎日の"カンファランス"では、個々の症例に関わるディスカッションを、可能な限り科学的根拠に基づき、論点と根拠を明確にし、論理的に論じます。
―臨床的課題に関する最新の知見を語ることができるように、常に情報入手に努め、個人個人が整理して把握し共有します。とくに、指導的スタッフは、根拠を可能な限り明確とすべく意識し、自分の考え、判断を積極的に呈示します。
―臨床上の問題解決のために、日常的に繰り返される科学的アプローチと論理的思考により、すでに明らかにされている点、解決すべき問題点を明確にすることができ、新しい発想の展開につなげます。 - 年間最低1編の論文作成をすべてのスタッフが行います。
―論文として報告すべきテーマ、症例を見いだし、書き上げ、peer reviewに対応する作業は、深く読み、繰り返し考えるものであり、オリジナリティと自らの主張を明確にする上できわめて重要です。科学者としての自覚を持ち、自らの考えを文章表現することを日常とするための大切なプロセスです。 - カンファランスや教育機会において、科学的、論理的な表現、プレゼンテーションを努めて意識して行います。
―自らが論じる、発表する内容をきちんと理解・把握して、自分の言葉として論理的に表現する能力は、指導者として重要な要件です。理論展開、発表は論理的かつ明確であるべきですが、その発想は従来の枠組みにとらわれる必要はありません。
"心で語り、科学で論じる"です。 - 診療の質を維持しうる範囲において、最大限の症例を受け入れるように努めます。
―臨床における問題を真剣に学ぶ機会をもっとも与えてくれるのは患者さんです。診療の質を維持し、自らが学ぶことが可能な限り、収容依頼は断らないように最大限努めます。 - 常にポジティブな捉え方をし、建設的な意見・議論を展開すします。ネガティブな発想はしないように心がけるとともに、まわりのスタッフの思考をネガティブにしうる発言・行動は厳に慎むことを意識します。
- 自ら、国内外に発信しうる研究テーマを模索すべく意識します。救急・集中治療領域における既存の考え方にとらわれることのない発想こそ大切です。
我々とともに、救急医療、集中治療を行ってくれるフレッシュな力を募集しています。