- 〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45
- TEL:03-3813-6111
- http://tmdu-icu.jp
施設紹介

東京医科歯科大学医学部附属病院は東京の中心、御茶ノ水に位置しています。病床数712床、general ICUは12床を有しています。2016年9月、米国ネバダ大学医学部集中治療部にて主任教授を務めておりました重光秀信が当科主任教授として着任し、日本ではじめての麻酔科・救急科などの他科から独立した、集中治療医学に特化した大学院講座として設立しました。
集中治療医がICUに専従し、semi-closedの体制です。特定集中管理料加算1を取得しており、術後重症患者や内科疾患がベースの院内急変患者に対して高度な集中治療を行っています。入室患者は年800名以上、そのうち約3割が緊急入室です。
当施設の特徴
1) 多職種回診を中心とした診療スタイル
我々の診療の核となるのが朝の多職種回診です。集中治療医、各科主治医、担当看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、感染制御部看護師、管理栄養士を交え、1症例10分で情報共有と診療方針の決定を毎日行っています。多職種回診は診療の質をあげるだけでなく、ICUスタッフは回診の司会を務めることでリーダーシップやタイムマネジメントなどを学ぶことができます。回診終了後は毎回デブリ―フィングを行い、回診での良かったことや問題点を振り返り、日々成長することを目標としています。
多職種回診の取組は院内ではチーム功労賞を授賞し高く評価されています。病院ウェブサイトの動画(http://www.tmd.ac.jp/medhospital/column/save/001/) を見ていただくだけでなく、見学も随時受け付けておりますので、ぜひ実際の雰囲気を感じてください。

3) バラエティに富んだスタッフ 現在、麻酔科専門医、救急科専門医、循環器内科専門医、呼吸器内科専門医、小児科専門医、外科専門医、心臓血管外科医を背景とした医師が働いています。誰でも入りやすく、かつ誰でも多くの学びを得られる環境です。
4) 無理のないシフト制勤務 勤務はシフト制で日勤 (8:15-17:00)と夜勤 (17:00-8:15)の二交代制勤務を基本とし、申し送り後には帰宅出来ます。日勤は平均3名のスタッフと2名の初期研修医で構成されています。夜勤は1名体制ですが、慣れない間はバックアップ付き、もしくは2名体制としています。育児中のスタッフに対しては勤務時間の調整を行っています。教育的カンファレンスは全て平日業務時間内に行っております。
充実した教育・指導体制

毎週火曜日はAcademic dayと名付け、症例カンファレス、レクチャーを実施しています。レクチャーは、スタッフからBoard review、Chest conference、レジデント・フェローからjournal Club、research conference、その他M&MやQI conferenceといった双方向性で多くの知識や議論する力を得ることができるものとなっています。
毎週水曜日は感染症医とのカンファレンスを実施し、集中治療領域で重要な感染症や抗菌薬の知識を確認することができます。
また、新専門医制度にあわせて、内科後期専門研修にICUを組み合わせたプログラムを計画中です。
研究・学位取得
1) 基礎研究
細胞外小胞の急性期疾患における役割、ARDS・肺障害、ECMO、肝不全など主なテーマです。Imperial College London麻酔・集中治療科の主任教授である高田正雄教授との国際共同研究を行っており、成果は国際学会でのawardを授賞しています。成育医療研究センター・都立小児医療センターICUなどとも共同研究を行っています。
2) 臨床研究
ICUにおける栄養、感染症、終末期倫理、多職種回診など様々な観点から研究テーマを立案、実施しています。多くの産学連携研究も行っており、ヤマハとは“Effective Medical Creation -快適環境プロジェクト-“をコンセプトに共同研究で前向きRCTを実施しました。
3) 医療ビッグデータ
2018年より年1回、医療ビッグデータに関する国際学術会”Datathon”を主催しています。マサチューセッツ工科大学、ANZICS、国立シンガポール大学と開催しており、2019年はGoogleがスポンサーにつきました。
http://datathon-japan.jp
http://www.tmd.ac.jp/international/center/datathon/report/index.html
4) 学位取得
フルタイムの大学院生、社会人大学院生のいずれも柔軟に対応可能です。学位取得のための論文もサポートします。
東京・御茶ノ水からグローバル発信
世界標準に合わせた質の高い集中治療の提供と、東京から全世界へ活動を発信することを目標としています。スタッフは重光の前任地であるネバダ大学 (総ICUベッド数133を誇る大学病院)を始め、米国でのネットワークを活かしたobservershipを各地で経験することが可能です。また、重光は本学の統合国際機構副機構長を兼任しています。2018年には、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)と本学の全学的提携が調印されました(http://www.tmd.ac.jp/international/news/Signing/index.html)。今後、カリフォルニア大学サンディエゴ校とのスタッフ交流や合同カンファレンスの定期開催を計画中です。海外からの留学生、実習生も多数受け入れています。
おわりに
新体制になったばかりのまだ若いICUですが、多職種回診をはじめ新しい取り組みを多く行い、成果をあげています。重光の理念はINTENSIVIST 2015 Vol.7 No.3 (内分泌・代謝・電解質)に執筆した記事や、田中竜馬先生によるインタビュー動画 (https://www.intensivecare.club/single-post/shigemitsu)もご覧いただければ、雰囲気が更に伝わるかと思います。興味のある方はぜひ一度見学にいらしてください。
