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君と明日を廻していこう -志馬伸朗教授からのメッセージ

救急集中治療医学の特徴は、コラボレーションだと思います。多種多様な急性期医療の得意/専門分野を持った救急集中治療医が集い、各専門診療科や、メディカルスタッフと力を合わせて,患者さんをひとりひとり救って行く、これが私たちの使命でもあり目標でもあります。
しかし現実はそう容易ではありません。急速に展開する病態故に、また、医療の限界を超えた複雑性や困難性故に、救命しえない、社会復帰し得ない事例を経験することは希ではありません。不良な転帰は、現場の協力体制を大きく阻害する要因となります。
一方で、転帰を改善しうる余地があるからこそ、総力を結集する意義があると捉えることも出来るでしょう。我々は現実に真摯に向き合い、限界を認識しつつも、可能な限り提供しうる知識と技術を持って今日も診療に当たるのです。その中で、ひとりひとりの医療従事者が進化し続ける努力を止めないこと、そしてその力を上手くコラボすることを目指すのです。
私たちのこの取り組みや考えに共鳴し、加わって頂ける仲間を、求め続けています。
“今日も廻ってる あぁ この世界 愛しき世界 君と明日も廻していこう”
『進化論』 Mr. Children当施設の特徴 -広島県全域の重症患者を支える-

広島大学病院高度救命救急センター・集中治療部は、救命センター20床、GICU6床、HCU8床の計34床を有し、当科専従のスタッフ18名が中心となって管理する体制ができています。
Dr. Peter Safarの「集中治療は入室前から始まる」を合言葉に、年間約400件のドクターヘリ事案に出動し1000台の救急搬送に対応、約800名が救命センターに入室しています。またGICUでは年間300名の院内重症患者治療にあたり、SICUから術後患者を受け入れることもあります。肝移植後や小児を含む血液疾患の重症患者の集中治療も多く経験します。RRSも立ち上げから関わり、中心的役割を担っています。各科との垣根も少なく、「重症患者は早めに救急科へ相談」と信頼を得ています。
外科手術を除く侵襲的手技は当科が担っており、ECMO症例も豊富なため、救急集中治療医として十分な経験を積むことができます。また理学療法士が常駐しているため呼吸器リハビリや早期離床に関しては国内屈指で、多職種連携の良い手本であると自負しています。
チーム制での診療体制としているためoffの時間や勉強会などへの参加も十分確保できます。女性医師はママさん救急医を含め3名在籍しており、女性医師の参画にも積極的に取り組んでいます。
多種多様な研修プログラム -臨床と研究の学び舎としての役割-
広島大学大学院医歯薬保健学研究院応用生命科学部門救急医学では、各人の状況やニーズに合わせた多種多様な研修、教育、診療経験プログラムを用意しています。
1. 中核としての高度救命救急センター/集中治療部
広島大学病院高度救命救急センター/集中治療部は、県内唯一、中四国で3施設しかないドクターヘリを有する高度救命救急センターのひとつです。3次救急を中心に市内の重症救急患者を最後の砦として受け入れているほか、広島県西部から、島根県西部、山口県東部を含む広域におけるドクターヘリ搬送の拠点病院として機能しています。また、敗血症や体外式膜型人工肺(ECMO)の豊富な診療実績を活かし、日本で他に存在しない呼吸不全/敗血症センターとなることを目指しています。大学では、このような特殊診療を研修可能です。また、大学の利点を活かした単施設あるいは多施設と共同した臨床研究、肺炎/呼吸不全や敗血症の基礎研究、あるいは、新規救急診療機器や救急ICTシステム開発などの研究に携わることが出来ます。
2. 広島県内を網羅する、多種多様な市中病院との連携
単一大学病院である地域状況を活かし、広島県内のほとんどの主要病院(とりわけ、救命救急センターや特定集中治療室)と密接な関係を保っています。各病院における得意分野があり(初期診療、外傷、集中治療、地域医療、総合的救急など)、これらを垣根低くローテーションすることで幅広い救急診療の知識と技術を習得することが出来ます。
関連施設:県立広島病院、広島市民病院、JA広島総合病院、JA尾道総合病院、安佐市民病院、NHO呉医療センター、中国労災病院、呉共済病院、NHO東広島医療センター、興生総合病院、公立邑智病院など
3. Hiroshima-Kyoto collaboration
京都の主要病院とも良好な関係があります。とりわけ、外傷救急、総合内科的救急、ER特化診療、1-3次全般のシームレスER-ICU診療などにおいて、京都の主要救急施設への国内留学が可能です。また、京都の2大学とは、基礎研究において連携を行っています。
連携施設:京都大学、京都府立医科大学、NHO京都医療センター、京都第二赤十字病院、市立福知山市民病院など
4. 小児救急・集中治療研修
日本を代表する小児医療専門施設とのつながりを活かし、小児領域の共同研究のほか、小児救急・集中治療の集中的短期研修を行えるシステムも構築しています。
連携施設:長野県立こども病院、国立成育医療研究センターなど
5. 在宅医療との関わり
当科に在籍されていた故・岡林清司先生が立ち上げられたコールメディカルクリニック広島への診療協力を行っており、集中治療後の患者さんと関わる機会を持つこともできます。
連携施設:コールメディカルクリニック広島
おわりに

若手医師が多く在籍しており、広島という瀬戸内の穏やかな気候も反映して雰囲気の良い職場です。2015年9月より日本を代表する救急集中治療医の1人である志馬伸朗教授を迎えて新しい挑戦も増え、当院での研修で多くの刺激を得られることと思います。ご興味のお持ちの方は是非、まずは見学に来てみてください。